簡易版Project North Starの作り方

 

はじめに

2018/06/06にLeap MotionからARヘッドセット”Project North Star”がオープンソース化されました。
http://blog.leapmotion.com/north-star-open-source/

公式からインパクトのある動画が次々に公開されていることもあり、かなり期待感が高まっているのですが、残念なことに主要部品の多くが入手不可能な状態であり組み立てることができません。

そこでexiiiでは、現在入手可能な材料で置き換えて簡易版のProject North Starを作りました。公式動画のレベルには劣りますがProject North Starの可能性は十分感じることができます。

本ポストではこの簡易版Project North Starの作り方をご紹介したいと思います。
 

ライセンス

Leap MotionはProject North StarをApache License 2.0で公開しています。簡易版Project North StarはこのApache License 2.0で公開されたデータを使用しています。

http://www.apache.org/licenses/LICENSE-2.0

 

簡易版Project North Starの3Dデータ、ドキュメントについてはCC BY 4.0にて公開します。リンク先の条件の範囲で自由にお使いいただくことが可能です。
https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/
データを使用される場合は
CC BY 4.0, exiii Inc.
という形でクレジットを表示して下さい。

 

 

概要

本家Project North Starの作り方はこちらです。
https://leapmotion.github.io/ProjectNorthStar/mechanical.html

 

簡易版では以下の点を変更します。

 

Leap Motion Controller

Leap MotionからはLeap Motion Controller(以下LMC)の次世代機を使用する設計と既存のLMCを使用する設計の二種類が公開されています。次世代機はまだ手に入らないので、後者をベースに作成しました。

 

3.5-inch 120Hz LCD

VS035ZSM-NW0という品番だそうですが、これは一般では入手できません。販売元のBOEは大口の注文に対してのみ販売を行うそうです。代替品を探した結果、Raspberry Piに取り付けて使うLCDがちょうど3.5″でドライバ回路も含まれており、安価で購入できることが分かりました。今回はこちらを採用しました。

 

Display Driver

上記の代替品のLCDに含まれているためそちらで代替しました。

 

Reflectors

公開されている3Dデータを元にアクリルの切削加工を行いました。

 

反射防止コーティング

単なるアクリルでは殆どの光を透過してしまうため、本家では50-50%の反射防止コーティングを行っているようです。簡易版では窓用のミラーフィルムを貼り付けることで適度な透過率と反射率を得られるようにしました。

 

OEM Headgear replacement

本家ではデバイスを頭部へ固定するために溶接用のヘッドギアの使用を提案しています(安価で丈夫、装着感も良いです。North Starに限らずヘッドセット関連の多くのプロジェクトで流用できるのではないでしょうか)。本家で指定しているものは海外品だったため、日本で入手可能なものを選定して使用しました。

 

Al Bar

筐体とヘッドギアを繋ぐためのアルミレールです。手に入らないことは無いですが、作りやすさ優先で3Dプリント品で代用しました。

 

3Dプリント部品

新しいLCDが固定できて、HDMIケーブルとUSBケーブルが通せるように形状を変更しました。本家では複数種類のネジを使用していますが、簡易版ではM2L6セルフタップねじに統一できるようにしました。その他強度アップのための補強を加えました。

 

部品表

部品表はこちらのスプレッドシートを参照して下さい。

各部品の3Dデータもスプレッドシートのリンクからダウンロード可能です。

https://docs.google.com/spreadsheets/d/17OPl2oNZefMu_XfwKp9CA5PygzD6_z3uMTJ1lndurGw/edit?usp=sharing

必要なデータをまとめてダウンロードする場合はこちらかお願いします。

https://drive.google.com/open?id=0B2oZ6b7iG9fWVkJybUYtYXV0V0E

 

アセンブリ状態を見る場合は以下のリンクからご確認下さい。

https://a360.co/2NZxsos

 

 

組み立て手順

切削加工後のアクリルの表面を耐水ペーパーで磨きます。研磨前は以下のような状態です。

 

粗い番手から順番に表面の筋や模様が消えるように磨いていきます。最後に研磨剤とペーパータオル等で仕上げると以下のようになります。こちらでは#400→#1000→#1500→アクリサンデーの順で磨きました。

 

ミラーフィルムをカットし、20x80mm程度の帯を8枚作ります。Reflector L,Rそれぞれの内面にミラーフィルムを敷き詰めて貼っていきます。

隣り合うフィルムとの端面を完全に揃える事はできないので、多少の重なりは許容して貼っていきます。外形からはみ出した部分はカットします。デザインナイフを使うとキレイに仕上がります。

 

完成したReflector L,RをReflector Holderにはめ込みます。下図の赤丸の箇所に接着剤を塗布して固定します。

 

3.5” LCDをLCD Holder A,Bで挟みネジで固定します。同じものを2セット作ります。

 

作成したLCDのユニットをReflector Holderへ固定します。背面から6箇所をネジで固定します。

 

Reflector HolderにLMC Holderを取り付けます。5箇所をネジで固定します。

 

Leap Motion Controllerにケーブルを取り付けます。先にケーブルを穴に通してから、Leap Motion ControllerをLMC Holderに取り付けます。

 

Sliderに対してLeft Slide Rail, Right Slide Railを通します。その後LMC Holderにネジで固定します。

 

Top Coverを固定します。上から2箇所をネジで固定します。

 

下から4箇所をネジで固定します。

 

LCDにHDMIケーブル、USBケーブルを取り付けます。

 

溶接用ヘッドギアの両側面部のネジを取り外し、挟まれているワッシャ等の部材を取り除きます。

 

Sliderを挟み、再度ネジを締め込みます。

ヘッドギアが固定されたら完成です。ケーブルが複数本でてしまうので、結束バンドでまとめておくと取り回しがよいです。

 

 

 

セットアップ

3.5″ LCDのHDMIケーブル x2、USBケーブルx2、Leap Motion ControllerのUSBケーブルをPCへ接続します。HDMIポートの差込口が足りないときはHDMI-Display Portの変換ケーブルを使用します。

本家Leap Motionが公開しているUnity Packageをダウンロードして立ち上げます。

リンク先を参考に映像のキャリブレーションを行います。https://github.com/leapmotion/ProjectNorthStar/tree/master/Software

 

 

 

おわりに

いかがでしたでしょうか。うまく動いた際にはぜひSNSで#LeapMotion #ProjectNorthStar #exiii等のハッシュタグを付けてシェアして下さい。

 

Leap Motionはブログの中でProject North Starについて”オープンソース化しハッカーコミュニティの手に委ねる事で、Augumented Realityの可能性についての議論や実験を加速したい”と述べていました。

 

exiiiはこの思いに賛同し、簡易版Project North Starを作り公開しました。ぜひ多くの方に製作して頂き、この取り組みが広がっていく事を願っています。

 

 

告知

exiiiでは新しい仲間を募集しています!

今回のProjtct North Starは近い将来、フィジカルな世界とバーチャルな世界が混ざり合う未来が訪れる事を強く感じさせるものでした。

この未来において、人間とコンピューティングのインタラクションには触覚が不可欠になると考えています。

私達と一緒に、触覚デバイスとそれを用いた新しいインタラクションを作り上げていく事に興味のある方はぜひご連絡下さい!
https://exiii.jp/recruit/